日向夏の特徴
ミカン科ミカン属常緑低木の日向夏。「ひむかいなつ」と読みたくなりますが、正しくは「ひゅうがなつ」という名前の柑橘類です。
外皮の色は黄色くて、文旦を小さくしたような見た目をしていて、柚子の突然変異だと考えられています。
ハウスで栽培された日向夏には種がありませんが、野外の畑などで栽培された日向夏には種があります。早ければ1月頃から店頭に並び始めますが、低温にやや弱いため、温暖な地域を好みます。年平均気温16℃以上、最低気温が−4℃以下で育ちます。高知県では「土佐小夏」「小夏みかん」、愛媛県や静岡県では「ニューサマーオレンジ」など、地域によって呼び名が変わります。日向夏は自らの花粉では受粉ができない自家不和合成のため、畑脇に違う柑橘系の受粉樹を植えなければなりません。また、花が咲いてから収穫まで1年以上もの時間を必要とします。
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日向夏1個の重さは200~250g程度、大きさは温州みかんより一回り大きくしたサイズ感です。
旬の時期
シーズンのピークは4月~5月です。日向夏は木に成ったまま越冬し、翌年の5月頃に出荷されます。日向夏はハウスでも栽培されており、ハウスものは1~2月頃がシーズンのピークとなります。
日向夏の歴史
日向夏は1820年、江戸時代末期に宮崎市の曽井(そい)で偶発実生として発見されました。日向夏は雄しべと雌しべに受精能力を持つのですが、自分の花粉では受精されないため、最初は生産率が不安定でした。このことに着目した三輪忠珍博士が、9ヵ年の長い年月をかけ研究で明らかにしたことにより生産が安定されました。
日向夏の産地
宮崎県が全国生産量の約8割を占めており、続いて高知県、静岡県、愛媛県が主な産地です。宮崎県では日向夏という品名で出荷されていますが、高知県は土佐小夏、小夏みかんという品名で販売されています。また、愛媛県や静岡県では、ニューサマーオレンジと呼ばれています。
日向夏の味
日向夏は、果実の色・果肉・香り・味、全てが他の柑橘と違い、世界中でも珍しい柑橘と言えます。食べる方法が一風変わっており、皮を剥いて中の実だけを食べるのではありません。リンゴを剥く要領でくるくると回し剥きます。この時フワフワした白皮を全部取り除くのではなく、白皮が付いたまま残して剥きます。白皮にほんのり甘みがあり、爽やかな酸味の果肉と一緒に食べることで酸味がマイルドになります。