不知火の特徴
不知火は1972年、長崎県の果樹試験場で「清見」と「中野3号ポンカン」を交配して誕生しました。「デコポン」の正式名称は不知火ですが、その違いは商標登録されているかいないかの違いです。デコポンは、不知火のなかでも糖度13.0度以上、酸度1.0度以下などの条件をクリアしたものにつけられ、熊本県果実農業協同組合連合会が所有する登録商標です。
この登録商標は、全国のJA(農業協同組会)が出荷するものにだけ使用できるため、その他の生産者は、条件を満たしていても「デコポン」として出荷することはできないため、「不知火」として流通しています。
日本生まれで国内でとても人気のある不知火ですが、近年アメリカでも生産販売されていて、ヘタの出っ張りが力士の髷に似ていることから「SUMO(スモー)」と名付けられ主にカリフォルニアで生産されています。
大きさ
1個あたりの重さは200~280gです。
旬の時期
2月中旬から4月上旬にかけて収穫され、収穫後は7日~20日貯蔵し、酸味を抜いてから出荷します。春柑橘の中でも人気品種です。
不知火の味わい
清美オレンジとポンカン、両方の特徴であるジューシーさと、濃厚な甘みが特徴です。酸味はそれほど強くないので、柑橘系のなかでも食べやすい品種。また、苦みがないのも特徴のひとつ。小さなお子さんから年配の方まで好まれる味です。
不知火は頭部に「こぶ(デコ)」があり、 果皮はやや粗いですが剥き易いです。果肉は柔らかく多汁で、ジョウノウ膜も薄いためそのまま食べられます。
とてもジューシーで甘みが強いので、搾ってフレッシュジュースやゼリー・シャーベットなどにアレンジするのにも適しています。
不知火の栄養
不知火に含まれるビタミンCにはミカンの約1.6倍です。抗酸化力があるため、生活習慣病予防に効果があるといわれています。
不知火の歴史
長崎県にある農林水産省果樹試験場において、1972年に清見と中野3号ポンカンの交配種として誕生したタンゴール。温州みかんとオレンジの本来の品種名は生産を始めた地域にちなんで「不知火(しらぬひ」)」と呼ばれ、「デコポン」は登録商標となっています。
ごつごつした見た目が良くないとの理由ではじめ、品種登録されませんでしたが、保存方法によって甘くなることがわかり、熊本県宇土郡不知火町(現・宇城市)で栽培され、その後、愛媛県や鹿児島県などへと普及しました。
不知火の産地
1位:熊本10448トン/年間(全国シェアは25%)
2位:愛媛9907トン/年間(全国シェアは24%)
3位:和歌山4955トン/年間(全国シェアは12%)
4位:佐賀3703トン/年間(全国シェアは9%)
5位:広島3582トン/年間(全国シェアは8%)
不知火のレシピ
不知火ゼリー

不知火をゼリーにすると、果肉のジューシーさと爽やかな甘みがより一層引き立ちます。つるんとした喉越しで、食欲がないときにもおすすめです◎
材料(2個分)
- 不知火 3個(約800g)
- 粉ゼラチン 5g
- 水 大さじ1
- 砂糖 大さじ2
- レモン汁 小さじ2
作り方
- 2個の不知火はヘタから1cmのところで上部を切り落とし、中身をくり抜きます。
- くり抜いた果肉はジッパー付き保存袋に入れてよく揉み、ざるでこして果汁をしぼります。(約250cc。足りない場合は水で調整)皮は器として使うので取っておきます。
- 残り1個の不知火は皮を剥き、果肉をボウルに取り出します。
- 別のボウルに水(大さじ1)を入れ、粉ゼラチンを振り入れてふやかします。
- 鍋にしぼった果汁と砂糖を入れて中火にかけ、鍋の周りに小さな泡が立ったら火を止めます。
- ふやかしたゼラチンを加えてよく溶かし、レモン汁も加えて混ぜ、粗熱を取ります。
- 2の果肉のボウルにゼリー液を加えて混ぜます。これを1で取っておいた皮の器に等分に流し入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やし固めたら完成です。
不知火と人参のサラダ

不知火と人参のサラダは、柑橘の甘みと人参の風味が爽やかにマッチする簡単で彩りの良いサラダです。晩ごはんのおかずに、ちょっとしたおもてなしに、お弁当にもぴったりです◎
材料(2人分)
- 不知火 1個
- 人参 50g
- オリーブオイル 大さじ1
- 白ワインビネガー 小さじ1
- 塩 小さじ1/4(お好みで調整)
- 黒こしょう 少々
作り方
- 人参は皮を剥き、半分に切って細めの千切りにします。不知火は皮と薄皮を剥き、半分にカットします。(房のままでもOK)
- ボウルにオリーブオイル、白ワインビネガー、塩、黒こしょうを入れてよく混ぜます。
- カットした不知火と千切り人参をドレッシングのボウルに加え、全体をよく和えます。
- 器に盛り付けて完成です。