三宝柑の特徴
三宝柑(サンポウカン)はミカン科の果物で、柚子とダイダイの自然交配種。
枝つきの部分がデコポンと同じように膨らんでおり、皮が剥きやすく果肉はさわやかな甘さを持ち美味しい柑橘類です。
皮が厚い分、果肉が少なく、種が非常に多いという欠点も持ちます。
果肉の果汁量が多く上品なりと味があります。
皮に苦味が少ないことから、皮も料理にも用いられています。
爽やかな香りと鮮やかな明るい黄色から春の季節を伝える食材として、料亭の会席料理にも使われています。
三宝柑とデコポンを見比べると、変化の違いがわからないほど見た目がそっくりです。
しかし半分に切って見比べてみると、三宝柑の方が皮が分厚く果肉は黄色みが濃い特徴があります。
種が多いので少し食べずらいかもしれません。
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1個が200g~300g程度。サイズは少し大きめです。
旬の時期
三宝柑の収穫は1月頃〜5月頃。収穫の最盛期は2月中旬頃〜4月にかけてです。食べ頃の旬は3月〜4月となります。
三宝柑の歴史
三宝柑は江戸時代、文政年間の頃に和歌山城内にあったものが原木とされています。
地方によって「さんぼうかん」とも呼びます。
江戸時代当時は三宝柑の珍しさと美味しさから、殿様への献上品として一般人の栽培を禁じたと言われています。
明治に吉備町の大江城平氏の手によって一般に広められ、当地で盛んに栽培されいたようです。
三宝柑の産地
三宝柑は和歌山の特産果実として紀南から紀中にかけて栽培され、全国の9割以上もの三宝柑が和歌山から出荷されています。
その理由も城外不出の果物であったからでしょうか。
和歌山の文化では縁起の良い柑橘とされ、おめでたい宴席で三宝柑の皮を使い、なますなどの料理を入れる器としても利用されています。
和歌山県の中でも有田郡湯浅町の栖原産が最高級品と言われています。また三重県でも生産されています。
三宝柑の味
見た目はデコポンそっくりで、並んでいるとどちらが三宝柑なのかと迷うほどです。
果肉はグレープフルーツの果肉のように黄色みがかっているため酸っぱそうに見えますが、苦味がなくまろやかでさっぱりした上品な味わいです。実の皮は厚みがあるため皮ごと食べられず、甘夏のように剥いてから食べます。
収穫シーズン始めは爽やかでみずみずしい味わいとなり、シーズン終わり頃はコクと旨みが味わえます。
また、外皮の色も黄緑色〜黄色に変化していき、三宝柑の旬の移ろいが楽しめます。