セミノールの特徴
セミノールの皮は少し硬めですが、とてもきれいで鮮やかな赤橙色の皮が特徴的です。地域によっては「サンクイーン」や「紅小夏」と呼ばれることもあります。
セミノールは「タンゼロ」というグループに入ります。タンゼロとは、グレープフルーツ(または文旦類)とミカン類の交雑で生まれた柑橘のことで、仲間には「ミネオラ」や「スイートスプリング」などがあります。
大きさ
1個のあたりの重さは150g~200gです。サイズや形は温州みかんに似ていますが、表面がツルっとしています。
旬の時期
出回り時期は4月から5月頃です。
セミノールの味わい
セミノールは、甘み、酸味ともしっかりした濃厚な味わいです。果肉は柔らかく、果汁を多く含み、中のじょうのう膜(薄皮)も薄いので、ナイフで皮を剥いてから食べるのがおすすめです。
じょうのう膜が薄くてジューシーなので、食べるときは果汁で手が濡れてしまうこともあります。また、種は数個程度入っていることが多く、フォークなどを使って取り除きながら食べると良いでしょう。
セミノールの栄養
セミノールはビタミンCが非常に豊富で、100gあたり41mg含まれています。積極的に食べることで、免疫力向上や風邪予防、美肌効果、抗酸化作用が期待できます。
また、カロテノイドの一種であるβ-クリプトキサンチンも豊富で、100gあたり1100~1300μg含まれています。抗酸化作用が高く、がん予防や生活習慣病予防に役立ちます。
じょうのう膜には、水溶性食物繊維のペクチンが多く含まれ、整腸作用やコレステロール低下作用、血糖値の急上昇抑制に効果的です。
セミノールの歴史
「セミノール」は「ダンカングレープフルーツ」と「ダンシータンジェリン」を掛け合わせて誕生したアメリカ生まれの品種です。
1910年代にフロリダ州のアメリカ農務省の試験場で育成され、日本へは1955年(昭和30年)に農学博士の田中長三郎が導入しました。その後、三重県の篤志家、桂清吉が田中の庭で枝変わりのものを見つけ、商品化しました。
大分県では、1974年に津久見市が、温州みかんに替わる高級晩柑類として導入したのが始まりとされています。
セミノールの産地
2017年のセミノールの収穫量のうち最も多いのは和歌山県で、約1,357トンの収穫量です。2位は約574トンの収穫量がある三重県、3位は約552トンの収穫量がある大分県。4位は愛知で約79.5トン、5位は愛媛で30トンです。
セミノールのレシピ
セミノールシャーベット

暑さを感じはじめた頃に嬉しい、旬のセミノールを使ったひんやりスイーツです◎
材料(1人分)
- セミノール 1個
- はちみつ 小さじ1
- ブランデー 大さじ1(お好みで。省略可)
- 炭酸水 50ml
作り方
- セミノールを上から1/3のところでカットし、フタになる部分を作ります。
- スプーンで果肉をくり抜き、ザルでこして種や薄皮を取り除きます。
- こした果肉に、はちみつ・ブランデー・炭酸水を加えてよく混ぜます。
- 混ぜたものをタッパーなどの容器に入れて冷凍庫で凍らせます。
- セミノールの皮も器として使う場合は、ラップをして一緒に冷凍しておきます。
- 凍ったらスプーンで削り、シャーベット状にします。
- 冷やしておいたセミノールの皮に盛り付けて完成です。
セミノールピール

セミノールは皮を剥いて食べるのが一般的ですが、皮にも栄養が含まれており、ピールにすることで爽やかな香りと甘さを楽しみながら無駄なく摂取できますよ◎
材料
- セミノールの皮 1個分、またはお好みの量
- グラニュー糖または上白糖 皮の重量の約60〜80%
- 仕上げ用の砂糖 お好み
- レモン汁 お好み
作り方
- セミノールの皮はよく洗い、農薬やワックスが気になる場合は塩でこすってから水で洗い流します。
- 皮を4等分またはお好みの大きさに切ります。(ワタは残しても取り除いてもOK。ワタを残すと苦みが強くなります。)
- 鍋に皮とたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら3〜5分茹でてお湯を捨てます。これを2〜3回繰り返して皮が柔らかくなるまで茹でます。
- 茹でた皮の水気を切り、重さを量ります。
- 鍋に皮と砂糖、ひたひたの水を入れ、弱火〜中火で15〜20分ほど煮ます。(途中で何度か砂糖を分けて加えると味がなじみやすいです)
- 汁気が少なくなり、皮が透き通ってきたら火を止め、粗熱が取れたら、好みで表面に仕上げ用の砂糖をまぶします。
- 完全に冷めたら密閉容器に入れて完成です。(冷暗所で2週間程度保存可能)