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みかんの木はどう育つ?みかんの寿命や一生を知ろう!



はじめに

突然ですが、「みかん」を頭の中で思い浮かべてみてください。

今、多くの方はダンボールやネットの中に入ったみかんや、みかんを食べるときのことを想像しているのではないでしょうか。木にたわわに実っているみかんの様子を想像した方は少ないでしょう。

みかんは販売されるとき、ヘタから上の部分は残っていないため、どのように木になっているかを見たことがない方もいらっしゃるでしょう。今回の記事では、普段あまり注目されないみかんの木について詳しくご紹介します。



みかんはどのように木に実っているの?

みかんの果実の正体は花の中の「子房」という部位が発達したものです。温州みかんには種がありませんが、本来はみかんには種があったことを考えると花から果実ができるのは自然なことです。

果実と木はヘタの部分を通して繋がっています。みかんの木は幹から太い枝が生えており、そこからだんだんと細い枝に分岐して、その途中に果実ができます。



1本のみかん、実は2種類の木が混ざっている!?

温州みかんには種がありませんが、栽培の現場では木を新しく増やす必要があります。温州みかんに限らず、ほぼ全ての柑橘類は「接ぎ木」という技術を使って木を増やします。

接ぎ木は、根元の部分の「台木(だいぎ)」の枝と、将来的に果実を収穫したい「穂木(ほぎ)」の枝をそれぞれ削り、断面をテープやプラスチックのチューブなどで固定してくっつける技術です。時間が経つと、削られた部分を直そうとしてそれぞれの木の組織が癒合し、二つの木が一体化します。

接ぎ木の技術を使う理由の一つには、種ができない品種を増やすということがありますが、さらに重要な理由があります。それは、美味しいみかんをつくることです。逆にいえば、接ぎ木をしないと美味しいみかんはできないのです。

台木に用いられるのは「カラタチ」という品種の柑橘です。カラタチは樹勢が強く病害虫に耐性があるほか、花がつきやすい、すなわち果実ができやすいという特長をもっています。接ぎ木をするとこのような長所が穂木にも受け継がれ、丈夫なみかんの木が出来上がります。木が丈夫になれば果実も健康に育つため、美味しいみかんができるのです。ちなみに、カラタチの枝にはトゲがあり、果実には多くの種があり、酸味と苦味が強いため食用には向きません。

接ぎ木の技術は栽培だけでなく、新品種の開発にも使われています。1本の台木に何種類もの穂木を接ぐことで、同じ木から異なる品種のみかんを収穫することができます。新品種の開発は大量の苗から優良な苗を選抜するという流れでおこなうため、1つの品種につき1本の木を使うとかなり広い土地が必要になってしまいます。そこで、接ぎ木をすることによってコンパクトに大量の品種を育てるという方法がおこなわれています。



みかんの木あれこれ

みかんの木の寿命

みかんの木の寿命は、適切な管理を続ければ最長で100年を越えるとも言われており、長期にわたってみかんを作り続けることができます。しかし、樹齢が高くなると、人間と同じように幹や枝が弱くなって倒木のリスクが上がったり、病気にかかりやすくなったりします。そのため、実際に収穫をするのは30~50年間くらいが一般的です。

みかんの木の寿命は、根がいかに深く張るかということと関係があると言われています。あまり耕土が厚くない場所に植えたり、密植したりすると、養分の奪い合いや過度なストレスがかかり寿命が短くなりがちです。
みかんの木を長く健康に育てたいのであれば、根をしっかりと張れるよう耕土の厚みがある場所に適切な距離を空けて植えることが大切です。

Tips 耕土(こうど)

  • 耕土とは、みかんを植える前に、根が張りやすいようによく耕した土のことです。畑の中で表面に近い部分を指し、表土、作土とも呼ばれます。

コラム ~日本最古のみかん~

  • 現存する日本最古のみかんは、大分県津久見市にある紀州みかんの木とされています。「尾崎小みかん」の先祖木とも言われる、樹齢800年を超える古木です。1157年(保元2年)に移植され、現在では天然記念物に指定されています。
  • また、熊本県八代市高田には樹齢600年の紀州みかんの古木があったことが知られています。残念ながら、この木は1923年(大正13年)の大洪水で流されてしまい、現在は残っていません。
  • 他に、熊本県津奈木町の久子(ひさご)には樹齢360年と推定されるみかんの木が現存します。1978年(昭和53年)に熊本県の天然記念物に指定されましたが、その後、台風や害虫の影響で枯れたり傷んだりしたため、昨今は接ぎ木により保存が図られています。

みかんの木の成長

みかんの木は1年目に接ぎ木され、2〜3年目に定植されます。3年目から果実がつき始めますが、木の成長に栄養を使わせ、早く大きくするために、蕾のうちに花を落としてしまいます。5年目くらいには木も大きく丈夫に成長するため、果実の収穫が可能になります。

樹齢が低いうちはみかんの木には元気があり、ヘタが太くなりやすく果実にはたっぷりと水が送られます。そのため、収穫されるみかんはゴツゴツとして比較的水分が多くて大味になりやすい傾向があります。樹齢が15年くらいになるとヘタが小さくなって、水分が適度に果実に送られるようになり、甘みの強いみかんが作られるようになります。このように、年月を経るにしたがって、みかんの木自体でも美味しいみかんを作る体制が次第に整っていきます。

1本の木から1年に収穫できるみかんの平均的な量は70㎏(約700個)といわれています。この重さの果実をつけていると、みかんの枝は大きくたわんで地面に向かって下がった状態になります。しかし、収穫が終わると軽くなった枝は再び天に向かって立ち上がります。あまり見ることのない光景ですが、強い生命力を感じさせてくれる瞬間です。



みかんの葉

みかんの木の葉は、太陽の光を浴びて光合成をし、栄養を作るために欠かせない存在です。みかんの果実1つをつくるのに葉が30枚必要であると言われており、枝や果実と同様に大切に扱われています。

みかんの木は常緑樹であるため、冬になっても葉は落ちず、紅葉することもありません。活動が停止する冬の間は、葉に養分を蓄え春に備えます。新しい葉は春から夏にかけて出てくる新芽が生長したもので、2〜3年に渡って光合成を続けます。そのため、1つの木には今年出た葉、去年出た葉、一昨年出た葉の3種類の葉が混ざっていることになります。



おわりに

みかんの木にまつわる知識をご紹介しました。みかん狩りに行ったときには、果実だけではなく木にも注目してみると様々な発見があるかもしれません。みかんの木とみかんの果実の関係について、ぜひ覚えてみてください。

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