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マルエム青年部で活躍する若手みかん農家・後藤貴紀さんに直撃! 三ヶ日インタビュー企画第2弾

マルエム青年部で活躍する若手みかん農家・後藤貴紀さんに直撃! 三ヶ日インタビュー企画第2弾

みかん農家 後藤貴紀さん

6年前に帰農し、約11haの畑で5,000本以上のみかんを育てる後藤貴紀(ごとう たかのり)さん(34歳)。三ヶ日でも有数の大規模農園「ゴトウ柑橘園」の後継者として、栽培技術の向上やマルエム青年部の活動に意欲的に取り組んでいます。 今回は、産地の若手生産者としてみかん作りへのこだわりや想いを伺いました。

JA職員から帰農し、みかん農家に

なぜ就農を決意したのですか?

実家が産地でも有数の専業みかん農家だったため、幼い頃から農業の楽しさも厳しさも見てきました。JAみっかびに就職したのは、そんな農業に関わる人々を支える仕事がしたいという思いがあったからです。就職した当初は、自分自身が生産者となり実家を継ぐかどうかは決めていませんでした。 しかし、30歳を目前にして、代々続いてきたゴトウ柑橘園の畑や木々を自分の代で終わらせたくないという思いが強くなりました。ちょうど同級生にも帰農する人が増えてきたタイミングでもあり、家族と相談を重ねて自分が跡を継ぐことにしました。

就農後に苦労したことを教えてください

JAみっかびでは、金融部門を担当していました。その時に学んだ知識を活かすことによって、柑橘園の経営にはそれほど苦労しませんでした。

しかし、みかんの栽培に関してはほとんどゼロからのスタートでした。長年みかんを栽培してきた父母や、JAみっかびの技術指導員からのサポートを受けて、栽培技術を吸収していきました。 就農から6年が経った今でも、学ぶべきことはまだまだあります。先輩生産者や産地の指導員からの学びを積極的に取り入れて、美味しいみかんを作るために努力し続けています。

産地でも有数規模のみかん農家

JAみっかびでも有数の栽培面積を誇るゴトウ柑橘園。後藤さんは、その後継者として、安全な園地づくりや美味しいみかんの栽培に日々取り組んでいます。

ゴトウ柑橘園の特色を教えてください

ゴトウ柑橘園は規模が大きいため、機械化が必須です。機械作業がしやすいように通路や木の形を整えています。

また、園地が広く家族だけでは手が足りないため、多い時には20名ほどのパート・アルバイトの方に手伝ってもらっています。初心者であっても安全に作業できるようにマニュアルを用意するなど、安全な畑づくりを心がけています。

また、全国各地から手伝いにきてくれる方のために、専用の宿舎を用意しています。こういった宿舎を用意している生産者は少ないですが、全国からいろいろな人が手伝いに来て、三ヶ日のみかんや街の魅力を知ってくれるといいなと思っています。

中には、学生時代にはじめてゴトウ柑橘園を訪れて生産の現場を知り、みかん栽培の魅力に魅せられた人もいます。社会人になってからも時間を見つけて三ヶ日を訪れてくれて、みかんを通したご縁の広がりを感じています。

プレミアムみかん「濃蜜青島」の魅力を教えてください

三ヶ日みかんの代表品種「青島温州」を特殊な栽培方法で育てたみかんです。ただ甘いだけではなく「コク」がある三ヶ日の青島みかんの特長を存分に味わうことができます。 「濃蜜青島」の栽培では、園地に特殊なシートを引きます。シートは太陽光を反射するため、反射光によって葉での光合成が促進されて、果実の糖度が高まります。また、シートには水分を遮断する効果もあり、過剰な水分によってみかんの味が薄まることを防いでいます。

こうして育てられたみかんは、濃いオレンジ色の果肉と濃厚な味わいが魅力のプレミアムみかん「濃蜜青島」としてお客様のもとに届けられます。

1月上旬に家庭選果をおこない、濃蜜青島として出荷できるものだけを厳選します。その後、出荷時期の2月下旬ごろまで貯蔵し、じっくりと熟成させます。収穫時は糖も酸も高い状態ですが、貯蔵中に酸が分解されることで、糖と酸のバランスが取れた味わいになります。

濃蜜青島として出荷できるようになるまでには1か月以上も貯蔵することになるため、収穫後の家庭選果では貯蔵に耐えうる品質の高い果実を選ばなければなりません。この工程で基準をクリアするのは全体の5~6割です。それだけ厳しくチェックすることで、高い品質を保っています。

産地に力を!若手生産者の想い

後藤さんはマルエム青年部の中核メンバーであり、若い力で産地を引っ張っていくことが期待されています。

マルエム青年部の活動について教えてください

マルエム青年部は、40歳以下の若手みかん生産者の有志によって構成されている組織です。将来の産地の中核を担う生産者たちにとって、視野を広げるとともに知識を学びあえる学習の場、交流の場として活動を展開しています。

他産地の視察や勉強会の開催、さらに新しいみかん栽培技術の検証など、取り組む内容は多岐にわたります。メンバー自らが企画を立案し、仲間を巻き込んでいくことが大切だという理念のもと、各メンバーが積極的に様々な活動に参画しています。

産地の視察は毎年行っているもので、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で残念ながら遠方には行けなかったため、県内の産地を訪問しました。例年は、他県のみかん産地を視察したり、県内外のみかん以外の作物の産地を訪問したりしています。野菜の産地を訪れた際には、雇用をどうやって確保するのか、という課題について有意義な議論をおこなうことができました。

また、設立当初から続けているのが、店頭試食販売です。出荷した後の自分たちのみかんがどのように販売されているのか、ということはもちろん、みかんを口にしたお客様の反応も肌で感じることができます。みかんの出荷先である青果市場の担当者を直接訪問して、三ヶ日みかんへの印象についてお話を伺うこともあります。畑にいるだけでは経験できない生の声を聴くことで、みかん栽培へのモチベーションの向上に繋がっています。

マルエム青年部の活動に参加し、三ヶ日みかんの生産から流通、そして消費までの過程を知ることで、一個人としてではなく三ヶ日という地域としてみかんのブランド力を高めよう、という産地の一員としての意識を持つことができています。また、産地のほかの若手生産者との横のつながりが生まれることで、互いに刺激を与えあい、切磋琢磨しながら美味しいみかんを作ろうという気持ちになります。こうした経験は、メンバー一人一人の将来の財産になると感じています。

青年部のこれからの展望について教えてください

JAみっかびでも、今後みかん農家の数が減り、生産量が減少する懸念があります。そのような事態を避けるためには、担い手を増やすことはもちろん、一人一人の生産者がより広い経営面積を担えるようになることも重要です。

JAみっかびだけでなく、静岡県内外のほかのJAとも協力し、皆で解決策を共有してみかん栽培の現場を盛り立てていきたいと思います。

若手生産者として、今後の目標を教えてください

みかん産業を「儲かる産業」にしていかなければ、みかん栽培に携わる人は増えません。 ゴトウ柑橘園を、「この農園を継ぎたい」「この農園を目標にしたい」と思ってもらえるような経営体にしていくことが使命だと思っています。

キツイ・汚い・危険の「3K」が揃っていると言われる農業ですが、機械化が進み、安全に作業ができることを示して、みかん栽培に関わる人を増やしていきたいです。

おわりに

自分や自分の子どもが「美味しい」と思えるみかんを目指して、日々の作業に励んでいます。みんなが安心して食べられる食べ物の選択肢として、三ヶ日産の食べ物をお届けしていきます。

JAみっかびの選果場では、糖度や酸度のバランスや傷の有無などを厳密に確認してみかんを出荷しているため、味のばらつきが少ないのが特長です。そういった意味でも、安心して召し上がっていただけると思います。

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