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みかん農家・鈴木達也さん 三ヶ日インタビュー企画第10弾

みかん農家・鈴木達也さん 三ヶ日インタビュー企画第10弾

「三ヶ日みかん」を支える生産者の方々にお話を伺い、三ヶ日みかんの魅力に迫る「Mikkabi Blog Interview」企画。
今回は、JAみっかびの営農指導員として勤めたのち、ミカン農家に就農した鈴木達也さんにお話を伺いました!

指導員から生産者へ…地域に貢献したいという想い

本日はお時間いただきありがとうございます。鈴木さんのお話を伺いながら「三ヶ日みかん」の魅力に迫りたいと考えています。さっそくですが、鈴木さんがミカン農家として就農されたきっかけを教えてください!


よろしくお願いします!
私は元々、農協の柑橘営農指導員として 11 年働いていたのですが、5年前に父親が病気を患い、それに伴い介護で母親も畑仕事ができなくなったため、実家のミカン園を管理する人がいなくなり、急遽農園を継ぐことになりました。
当時は、営農指導員として三ヶ日のミカン農家さんや産地のために仕事をしていたので、まだまだやるべき事の途中で仕事を続けたい思いも強かったです。
しかし、生産者側になっても、今までの経験を活かして地域へ還元できると考え、ミカン農家になることを決意しました。

産地を率いる担い手を育てるのが重要なミッション

生産者というこれまでとは違う立場で地域に貢献したいお気持ちがあったのですね。実際に就農されてから、ミカン農家として特に力を入れていることは何ですか?


これまで家族4 人で経営していた農園を自分1 人で管理することとなり、収穫量と品質を維持するためにも、毎年従業員さんを増やして労働力を強化しています。
また、三ヶ日町でも後継者不足が深刻なため、従業員さんの雇用を通じて産地を担う人材育成にも力を入れています!
しかし、従業員さんの成長速度には個人差があり、力量以上の作業を依頼するとケガの発生やモチベーションの低下を招いてしまいます。
一方で、技術面・意識面ともに産地を率いる担い手としても成長してもらいたいと考えているため、従業員さんの視点に立った接し方や技術伝達、労働環境の整備に常に気を配っています。

人と人との繋がりは産地にとっても大切なこと

農園を永続的に運営していくためにも、人材育成は重要なミッションなのですね。では、農園経営者である鈴木さんの経営理念を教えてください!


経営理念は「至誠心耕」です。
何事も真摯に本分を尽くすこと、誠意を持って人に接することで信頼は生まれます。農協職員時代から人と人との繋がりを大切にしてきたため、経営者として従業員さんやパートさんへ理念を共有していきたいと考えています。
そして、この三ヶ日の地で至誠を尽くし、人との繋がりを大切にしながら農業と向き合える後継者を増やし、産地の維持と発展に貢献したいと思っています。

生産者の想いを次世代にも受け継いでいきたい

人と人との繋がりを大切にしてきた鈴木さんの、産地に貢献したいという想いが伝わってきます!産地活性化に向けた組織活動の具体的な内容を教えていただけますか?


経営理念にも掲げたように、人と人との繋がりを大切にしているため、退職後も農協の組織活動には積極的に参加しています!
出荷組合青年部会や 40 歳以下の農家、農協職員、サラリーマンまでが属する農協の青年連盟(通称:農青連)にも所属しています。
青年部会は若手ミカン農家が集まり勉強する場で、農青連は地域の担い手、次世代の後継者として、若い力が結集して人づくりと仲間づくりをしています。
特に、今年度は自分が農青連の副委員長として農業技術や経営の勉強会、若手農家と農協の繋がりを考える場を設け、生産者内でも産地維持に対する危機感と責任感を共有するように努めています。
また、次世代の子ども達への食農教育等を企画実行して生産者の想いを若い世代に直接伝える活動を積極的に行っており、三ヶ日町という産地全体が発展するような取り組みを続けています。

環境に配慮した新たな栽培方法に挑戦

組織の中でも重要な役割を担い、地域の方々と協力しながら次世代にも食農の大切さを伝えられているのですね。その他にも、積極的に取り組まれていることがあればぜひ教えてください!


農協職員時代から肥料や除草剤を少しでも減らし、栽培コスト低減と環境に配慮した栽培体系の試験を続けています!
特に、10 年程前からクローバーを活用したミカン園の草生栽培管理の試験に取り組み、静岡県の研究所とも連携して調査や普及活動を行ってきました。クローバーには肥料成分である窒素を空気中から土に固定することができるため、減肥が期待できます。
また、クローバーを柑橘園に繁茂させることで土壌流出や雑草抑制効果が見込めるため、農青連や青年部でも情報発信を行ってきました。
このような環境へ配慮した草成栽培が広がることで、三ヶ日町の維持・発展につながればと期待しています!

三ヶ日町全体が活気のある豊かな産地になることを目指して

環境問題への取り組みも含め、産地維持に向けて精力的に活動されていることが伝わってきました。最後に、鈴木さんの今後の目標を教えてください!


異常気象や後継者不足等、農業を取り巻く環境は年々厳しさを増し、今まで通りの栽培管理や経営方法ではミカンの品質と量を維持して、利益を上げていくことが難しくなってきています。
そんな中で、ミカン産地三ヶ日を将来まで維持発展させていくためには、農家も組織も危機感を持ち変化を恐れない行動力が必要だと思います。


まず自分が行動して、産地内で意識醸成と消費者ニーズに沿った品種の育成や販売の仕方を考え、作業の効率化と新たな栽培管理方法を模索し、自分自身が挑戦して知り得た役に立つ情報は周りに発信していきたいと考えています。
産地維持・発展に向けてこれからも共同で何かをし、結束する力は必要だと思っています。家族、従業員と健全な農業経営を行い、三ヶ日町全体が活気のある豊かな産地になるように、これからも自分の務めを果たしていきたいです!

本日はありがとうございました!

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