「三ヶ日みかん」を支える生産者の方々にお話を伺い、三ヶ日みかんの魅力に迫る「Mikkabi Blog Interview」企画。
今回は、結婚を機に三ヶ日でみかん農家に就農し、ブランド商品「誉れ」の栽培に情熱を注ぐ山本耕司さんにお話を伺いました!
結婚を機に三ヶ日への移住とみかん農家になることを決意
結婚を機に三ヶ日町へ移住し、妻の実家で栽培を始めたのがきっかけです。農業は未経験でしたが、青年部や同じ支部の先輩から基礎的な知識や技術の指導をもらいながら栽培に取り組み、現在5年目です。
就農2年目には同じ支部の先輩から、「廃業するから農園を借りてくれないか?」と畑を引き継ぐ話をいただきました。就農してから日が浅く、技術や経営、気持ちの面で不安もありましたが、三ヶ日町の産地維持に貢献したいという想いから畑を引き継ぐ決意をしました。
現在までミカン農家として挑戦できているのは、家族からの応援や周囲のサポートによるところが大きいと実感しています!
手間と時間をかけて作られるブランド商品「誉れ」の魅力
「誉れ」を中心に栽培しています。誉れは、12月に収穫した青島みかんを「ロジ」と呼ばれる専用の木箱に入れて3ヶ月以上貯蔵し、甘みとコクを濃縮させた特別なミカンです。
長期間熟成させるため傷みや腐り、カビの発生リスクと隣り合わせですが、それを防止するためにも、温度と湿度の徹底管理が不可欠です。手間と時間をかけて生産される希少品で、通常品よりも高価格で販売されるブランド商品です!
誉れの美味しさに衝撃を受け、自ら栽培を開始
ミカン農家の先輩から誉れをもらったことがきっかけです。食べてみると、スーパーで見かけるみかんとは全く違う美味しさに衝撃を受け、栽培への好奇心に駆られました。
栽培だけでなく、収穫後も高度な技術が求められる難しい商品だからこそ、ミカン農家としても成長できると考え、誉れの栽培を開始しました。
誉れの品質を守るために、貯蔵中の環境整備は欠かせない
12月の収穫から3月の出荷まで品質を維持する必要があるため、貯蔵庫内の環境整備に特に力を入れています!
同じ倉庫内でも場所によって湿度が高かったり空気の循環が悪かったりするため、冷風機やサーキュレーターを活用して、倉庫内のどの場所でも貯蔵条件が一定に保たれるように努めています。
また、気温が高いと貯蔵庫内の空気が膨張して空気の循環が悪くなるため、冷風機を使用する際は外の気温も考慮して調整しています。
通常品にはない「貯蔵」という手間が加わったブランド商品のため、それに見合った品質を実現できるように自分自身の技術を磨き、設備投資や研究も続けています!
少しのズレで熟成に影響が出る、誉れ栽培の難しさ
倉庫内ではロジを何段か積み重ねて貯蔵するのですが、その位置を少し変えるだけでも誉れの熟成に影響があります。貯蔵庫の環境には常に細心の注意を払っていますが、うまく調整がつかないこともあり、試行錯誤の日々です。
また、誉れの出荷シーズンである3月は、剪定や土づくりなど次のシーズンに向けて準備が始まる忙しい時期なので、誉れの生産との両立も大変です。
三ヶ日みかんを、安心・安全に食べられる身近な食品の一つに!
今まで農業に携わったことはありませんでしたが、やってみると面白く、とても奥が深いです。
自分の畑で初めて収穫したミカンはあまり美味しくなく、一日でも早く自分の作るミカンで、お客さんに「美味しい!」と思ってもらえるように成長したいと考えています。
自然相手の農業で思うようにいかない部分も多いですが、三ヶ日町のためになることは自分のできる範囲で協力し、いずれは三ヶ日みかんのファンを増やして三ヶ日町に恩返ししていきたいと思っています。
消費者の皆さんにも、まずは三ヶ日みかんを手に取って、食べて、美味しさを実感してもらいたいです。そして、安心・安全に食べられる身近な食品の一つとしても生活に浸透すると嬉しいです!