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みかんを食べるとき、薄皮を剥いて滑らかな食感を楽しみたい!という方も多いのではないでしょうか。しかし、みかんの薄皮は、便秘の解消や血圧の改善に効果のある「ペクチン」を豊富に含んでいます。
ペクチンは水溶性の食物繊維の一種で、みかんの薄皮や、白い綿の部分に特に多く含まれています。したがって、みかんを食べるときには、薄皮ごと食べるとより健康的です。
食物繊維
食物繊維は「繊維」という名前がついているため、糸状のものを想像しがちです。実際には、ネバネバした形状のものから水に溶けてサラサラしたものまで、沢山の種類があります。代表的な食物繊維として、植物の細胞壁を構成する成分であるセルロースやリグニン、みかんやリンゴに含まれているペクチンなどが挙げられます。特に、ペクチンは天然のゲル化剤として知られており、果物のジャムにとろみがつくのはペクチンの働きによるものであることがわかっています。
ペクチンには、体に良い生理機能が数多くあることが知られています。腸の環境を改善して便通をよくしたり、血液中の糖分濃度の上昇を抑えたりするほか、中性脂肪の低減にも効果があります。
「おなかの調子を整える」効果がある食品として、ヨーグルトや小麦のふすまなどが特定保健用食品に指定されています。この「おなかの調子を整える」働きをもたらす成分が食物繊維です。
食物繊維は、消化酵素によって分解されないため、小腸を通過してそのまま大腸にたどり着きます。大腸内では、ペクチンに代表される水に溶けるタイプの食物繊維がゲル状になって便を柔らかくするほか、水に溶けない不溶性の食物繊維が水分を吸収して便の体積を増やし、腸壁を刺激して腸のぜん動運動を活性化することで便を排泄しやすくします。
また、食物繊維は腸内で「善玉菌」の餌として活用され、腸内環境の改善に貢献します。糖質や栄養素の吸収を緩やかにする効果も期待されます。
ペクチンには、血液中のコレステロール値を下げる効果があり、動脈硬化のリスクを抑えることができます。
コレステロールは、私たちが食事から摂取した脂肪を原料として肝臓で合成されます。コレステロールと聞くと健康に悪いイメージがありますが、ホルモンの原料となったり、脂肪の消化・吸収に必要とされる胆汁酸の原料となったり、体の機能を維持するうえで欠かすことができない存在です。
しかし、必要以上に多くのコレステロールが合成されると、血管の内壁にくっついて血管を狭めたり詰まらせたりする危険性があり、脳卒中や心筋梗塞につながる恐れもあります。食物繊維を取ることによって腸内環境が整えられると、脂肪の吸収が抑制されて血液中の過剰なコレステロールが減少し、血管を健康な状態に保つことができます。
世界的に高血圧患者の数が多いことで知られる日本では、食物繊維の高血圧予防効果が注目されてきました。高血圧は、老化や脂肪の蓄積などによって血管が狭くなることで起こります。そのため、食物繊維によって過度な脂肪の吸収が抑えられ、血流が改善されることで、高血圧の予防につながるのです。
みかんは、「アルベド」と呼ばれる皮と実の間の白い綿状の部分や、果実を覆う袋の部分に、ペクチンを豊富に含んでいます。
そのため、みかんを食べるときには、薄皮ごと食べることでより多くの食物繊維を取ることができます。
ペクチンは水溶性のため、腸内では水分を含んでゲル状になり、便の柔らかさを調整して排便を促します。また、過剰な脂肪や糖質の吸収を抑えてコレステロール値の上昇や高血圧を予防します。
温州みかんには、ペクチンのほかにも様々な栄養素が含まれています。みかんの栄養素についてはこちらの記事を参考にしてください。
みかんは健康に良いって本当?みかんの栄養素を徹底解説!
みかんのほかにペクチンを含むものとして、ワカメやヒジキなどの海藻類や、シイタケ、シメジなどのキノコ類、玄米や麦などの雑穀類が知られています。また、野菜では、ゴボウやセロリのほか、サツマイモやサトイモなどのイモ類、大豆やアズキなどのマメ類が有名です。果物の中では、みかんに代表される柑橘類のほか、バナナやイチゴ、プルーンなどに豊富に含まれています。
ペクチン(食物繊維)は健康に欠かせない成分として、1日に約20gずつ摂取することが推奨されています(年齢や性別によって目標量は異なります)。食生活の変化によって、日本人の食物繊維摂取量は減少していると言われており、食物繊維を多く含む食品を意識的に食生活に取り入れていくことが大切です。
腸内環境を整えて便通をよくし、高血圧の予防やコレステロール値の低減にも効果のあるペクチン。そんなペクチンが豊富に含まれている三ヶ日みかんを食べることで、便秘の解消効果や血行の改善が期待できます。 今年の冬は、ぜひみかんを食べて健康に過ごしましょう!
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