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【管理栄養士監修】みかんの酸味成分「クエン酸」とは?胃に悪いといわれる理由などについて解説

【管理栄養士監修】みかんの酸味成分「クエン酸」とは?胃に悪いといわれる理由などについて解説
加藤 ゆうき
監修者

加藤 ゆうき

管理栄養士

「みかんのクエン酸は胃に悪いのかな……。」胃はストレスに影響を受けやすいこともあり、現代のストレス社会では胃の不調に悩む方も多い傾向です。ストレスに負けない体づくりのためにと、手軽に食べられるみかんを食べ始めたものの、みかんに含まれるクエン酸が胃にあまり良くないのではと考える方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、みかんのクエン酸が胃に悪いといわれる理由やその真相について迫ります。クエン酸の効果やみかんに含まれる成分などについても解説しますので、ぜひチェックしてください

みかんのクエン酸は胃に悪い?

みかんには健康に良い成分や、体に欠かせない栄養素が含まれています。クエン酸が含まれていることも事実ですが、このクエン酸は胃に悪い影響を与えているのか検証していきましょう。

みかんなど柑橘(かんきつ)類に含まれるクエン酸は、文字通り酸性を示す成分です。酸性、つまり酸味のある食べ物は胃酸の分泌を促し、胃の動きを活発化させ、食欲増進の効果が見込めます。

しかし食べ過ぎや飲み過ぎ、ストレスなどで胃の調子が悪い時にクエン酸を含むみかんなどを食べると、胃酸の分泌が逆効果となり胃の不調の悪化につながることがあります。

みかんは決して胃に悪い果物ではありません。「みかんは胃の調子が悪い時は避けたほうが良い果物である」というのが真相のようですね。

みかんに含まれる成分「クエン酸」とは

みかんのクエン酸は、胃の調子によっては胃痛などの原因となってしまいますが、基本的には健康に良い影響が期待できる成分です。

そんなクエン酸について、もう少し詳しく見ていきましょう。

クエン酸は酸味成分

クエン酸は天然に存在する有機酸の一種。酸味があり、主にみかんやレモンなどの柑橘(かんきつ)類の成分として知られるほか、梅干しやトマトなどにも含まれています。

クエン酸といえば疲労回復に効果のあるイメージですが、その特性や風味から私たちの日常生活で幅広く利用されています。

クエン酸の効果

クエン酸は、胃酸の分泌を促進し胃の働きを活発にすることで食欲を増進させる作用のある成分です。また、鉄やマグネシウム、カルシウムなど体に欠かせないミネラルの吸収を高めることも分かっています。

さらにクエン酸は体内のエネルギー産生に関わっている成分です。クエン酸を積極的に摂取すればエネルギーがスムーズに作り出せる可能性があることから、疲労回復への効果が期待できるといわれています。

その他、クエン酸は「酸味料」や「pH調整剤」として食品の加工に利用されています。酸味料はその名のとおり酸味をつけるため、pH調整剤は食品の品質を安定させる目的などで用いられる食品添加物。食品添加物は、厚生労働省によって使用基準が定められています。

意外なところでは、酸性のクエン酸は掃除にも大活躍してくれる成分です、クエン酸にはアルカリ性の汚れを中和して落とす作用があり、水アカや石鹸カスが付着しやすい水回りのお掃除におすすめですよ。

みかんに含まれるクエン酸以外の成分

みかんには、クエン酸以外にもたくさんの健康に良い成分や体に必須の栄養素が含まれています。みかんに含まれる主な栄養素についてご紹介します。

食物繊維

食物繊維は食べ物に含まれる栄養素のうち、ヒトの消化酵素で消化されないまま大腸に届き、体に良い影響をもたらす成分です。

食物繊維を十分摂取することで腸の働きを活発化させ、便秘の改善が期待できます。

しかし食物繊維の摂り過ぎは、逆に便秘を悪化させたり下痢を引き起こしたりする可能性も。クエン酸と同じように食べ方によっては「胃に悪い」といえなくもないため、くれぐれも食べ過ぎには注意しましょう。

ビタミンC

みかんにはビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは、皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」をつくるのに欠かせないビタミンです。

ビタミンCが欠乏するとコラーゲンが十分合成されなくなり、血管が弱くなり出血しやすくなるほか、肌のハリが失われる原因にもなります。

またビタミンCは、体内に増えすぎると老化を引き起こす「活性酸素」の働きを抑えたり取り除いたりする抗酸化物質としても働きます。

その他、ビタミンCは鉄の吸収を高めるなど、健康や美容に欠かせない栄養素です。

カリウム

みかんに含まれる成分として忘れてはいけないのが、高血圧の予防・改善に欠かせないミネラル「カリウム」です。

カリウムは、同じくミネラルの一つであるナトリウムと互いに作用し合うため、体内に増え過ぎたナトリウムを排出してくれる作用があります。

ナトリウムは主に食塩として摂取され、摂り過ぎると高血圧の原因となります。高血圧の予防・改善にはナトリウムの摂取量を減らす「減塩」とともに、カリウムを十分に摂取することも重要です。

β−クリプトキサンチン

β−クリプトキサンチンは、みかんのオレンジ色の色素でカロテノイドの一種です。体内でビタミンAに変換される「プロビタミンA」の一つでもあるβ−クリプトキサンチンは、抗酸化作用によって老化防止に役立つほか、骨粗しょう症予防への効果も期待されています。

カロテノイドを含むみかんの摂取で、体を若々しく保つことができます。

ヘスペリジン

ヘスペリジンは、β−クリプトキサンチン同様ポリフェノールの一種。みかんをはじめ柑橘(かんきつ)類の皮、特に外皮の裏の白い部分(中果皮)に多く含まれています。抗酸化作用はもちろん、血流促進や血圧上昇抑制などさまざまな機能性が報告されている成分です。

まとめ

みかんのクエン酸が胃に悪いといわれる理由は、その性質にありました。本来酸性であるクエン酸の摂取は、胃の働きを活発にして食欲を増進させる作用があります。しかし、ストレスや暴飲暴食などで胃の調子が悪い時は、さらに状態を悪化させる可能性があるのです。胃の不調を感じた時はみかんの摂取は避けた方が良さそうですが、それ以外であれば何ら問題はありません。クエン酸をはじめ、たくさんの栄養が含まれているみかんを、ぜひ健康づくりに活かしてくださいね。

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加藤 ゆうき
監修者

加藤 ゆうき

管理栄養士

管理栄養士として保健センター、透析専門クリニックに勤務し栄養指導業務を行う。 現在はフリーランスの管理栄養士として、ケータリングサービスのメニュー開発や、Web等の記事の執筆を行う。

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