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柑橘類とは?柑橘類の種類や構造を解説!

柑橘類とは?柑橘類の種類や構造を解説!

冬の風物詩、温州みかん!酸っぱさと甘さのバランスが美味しいですよね!
温州みかんが属する、「柑橘類」は近年、さまざまな品種が世の中にでまわっており、春〜夏に食べられるもの、秋に食べられるものと必ずしも「冬」を待たずとも楽しめるようになってきています。
今回は、そんな柑橘類についてご紹介します!

柑橘(カンキツ)類とは

柑橘類は、ミカン科ミカン亜科の中でカンキツ属、キンカン属、カラタチ属に属する植物の総称です。このほかにミカン亜科には33の属があります。

柑橘類の中で、食用に用いられているのはカンキツ属とキンカン属の一部になります。生食したり果汁をジュースにしたりするみかんやオレンジ、グレープフルーツのほか、薬味として用いることが多いレモンやユズ、カボスなどが含まれます。

柑橘類の原産地は、インドのアッサム地方を中心とする東南アジアと言われています。現在では、様々な種類の柑橘が世界中に広がって栽培されています。

柑橘の種類

一般に柑橘類と呼ばれる3つの属について、それぞれ詳しくご紹介します。

カンキツ属(Citrus)

ミカン科ミカン亜科カンキツ属には、食用となる柑橘が多く含まれます。みかん類、オレンジ類、グレープフルーツ類、タンゴール類、タンゼロ類、香酸カンキツ類、ブンタン類、雑柑類が有名です。

分類名 代表的な種
みかん類 温州みかん、ポンカン(別名:マンダリンオレンジ)など
オレンジ類 ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、ベルガモットなど
グレープフルーツ類 ルビー(果肉は赤色)、マーシュ(果肉はクリーム色)
タンゴール類 伊予柑、清見、はるみ、せとか、タンカンなど
タンゼロ類 セミノール、ミネオラなど
香酸カンキツ類 ユズ、カボス、スダチ、レモン、シークワーサーなど
ブンタン類 ブンタン
雑柑類 夏みかん、八朔、日向夏、デコポンなど

カンキツ属と一口に言っても、皮の厚みや果肉の色、味は大きく異なります。また、沖縄に特有のシークワーサーや、四国が原産とされるスダチ、日本が世界で最大の消費量・生産量を誇るユズなど、特定の地域を中心に生産されている柑橘も多数存在します。

みかんやオレンジ、レモンなどの柑橘が健康に良い効果をもたらすことはよく知られており、中国や韓国、日本などのアジアの国々だけでなくアメリカやヨーロッパ、中東など世界中で食されています。

以下では、代表的なカンキツ属についてご紹介します。

みかん(蜜柑)類

現在、日本で主として食べられている「温州みかん」に代表される種類です。種がほとんどなくジューシーな温州みかんは、近年では極早生品種も登場し、早ければ9月頃から楽しむことができます。みかん類に分類される柑橘としては、日本が原産地と言われる温州みかんのほか、江戸時代のみかん栽培の主流だった紀州みかん(別名:小みかん)や、インド原産のポンカン、タチバナ(橘)、コウジ(柑子)などがあります。

タチバナ(橘)は日本に古くから自生していた日本固有の柑橘で、その常緑の葉や花が古くから日本人に愛されてきました。身近なところでは、桃の節句(ひな祭り)でお雛様を飾るためのひな壇に橘と桜を飾るしきたりがあります。これは、かつての天皇のお住まいだった京都御所の紫宸殿に橘と桜が植えられていることに由来します。橘を植えることで、「魔除け」や「邪気払い」、さらに「不老長寿」を願う役割があるとされています。 他にも、江戸時代の大名の家紋に用いられたり、現在でも勲章のデザインに使われたりしています。

橘の果実は直径3㎝程度で温州みかんや紀州みかんにも似ていますが、酸味が強く生食には向きません。マーマレードなどの加工品にされることがあります。

コウジ(柑子)は、中国から渡来したと言われる柑橘の一種です。温州みかんに比べて皮が薄いことから「薄皮みかん」の名前で呼ばれることもあります。糖度は低めで酸が強いという特徴があり、果実には多数のタネが含まれています。

オレンジ類

生食が可能なスイートオレンジと、酸味が強くてお酢やマーマレードなどの加工用に用いられるサワーオレンジに大別されます。スイートオレンジには、日本でも流通しているネーブルオレンジやバレンシアオレンジなどが含まれます。

お正月、しめ飾りに鮮やかなオレンジ色の柑橘が用いられているのを見たことがある方は多いでしょう。正月飾りに使われる直径8㎝ほどの柑橘は「ダイダイ(橙)」と呼ばれます。

ダイダイはサワーオレンジの一種で、酸味と苦みが強く生食には向きません。たっぷりと含まれている果汁を絞ってポン酢やサワーに使うほか、果皮はマーマレードや漢方薬の原料になります。新しい実と古い実が同時に木になるという性質をもつことから、新しい実と古い実が「代々(ダイダイ)」一緒に実るということで縁起物として扱われています。

グレープフルーツ類

1本の枝にたくさんの実がなっている様子がブドウの房のように見えることから、グレープ(grape、ブドウの意)フルーツと呼ばれています。日本の気候では栽培が難しいため、主としてアメリカから輸入されています。

グレープフルーツには果肉が薄いクリーム色をした「マーシュ」と呼ばれる種類と、果肉がピンクがかった色をした「ルビー」と呼ばれる種類があります。どちらも種がほとんどなく、非常にジューシーなのが特徴です。

タンゴール類

タンゴールとは、主にみかん類とオレンジ類を掛け合わせてできた交雑種のことを指します。名前の由来は、みかんの英名である「tangerine(タンジェリン)」の「tang」と 「orange(オレンジ)」の「or」を組み合わせて名づけられたと言われており、日本では「清見」や「はるみ」「せとか」「タンカン」などが有名です。

タンゴール類は皮が剥きやすく、オレンジによく似た香りと十分な甘みを持つのが特徴です。不知火(しらぬい)や清見、タンカンなどは根強いファンも多く、人気の高い柑橘の一つといえます。

タンゼロ類

タンゼロ類は、主にみかん類とブンタン類の交雑によってできた種類です。みかんの英名「tangerine(タンジェリン)」の「tang」と 「pomelo(ブンタン)」の「elo」を組み合わせたのが名前の由来とされています。

タンゼロ類としては、セミノールやミネオラ、スイートスプリングなどの品種が知られています。皮はみかんと同程度に薄いものの手で剥くには少し硬いため、包丁やナイフで切り身を入れると食べやすくなります。果実が柔らかくジューシーなのが特徴です。

香酸柑橘類(ユズ、レモン等)

香酸柑橘類は、香りや酸味が強く料理の香りづけやアクセントに使われる柑橘類の総称です。この分類は系統によるものではなく用途によるものです。ユズやレモンなどの有名どころに加えて、シークワーサーやジャバラ、球形ではなく人の手のような形をしたブッシュカン(仏手柑)など、地域に特有の珍しい柑橘も知られています。

香酸柑橘類の中で、ユズやスダチ、カボスは日本食に欠かせません。特にユズは生産量、消費量ともに日本が世界最多です。皮の表面を削ってお吸い物の香りづけにしたり、果汁や果肉を使ってユズ味噌をつくったり、冬至のお風呂に浮かべたりと、日本人の文化に深く組み込まれている果実のひとつです。

スダチとカボスは混同されがちですが、大きさで見分けることができます。スダチは直径3㎝前後のゴルフボールくらいの大きさなのに対して、カボスは直径8㎝前後とテニスボールに近い大きさです。また、スダチは徳島県、カボスは大分県で主に生産されています。

日本だけでなく世界中で様々な料理に使われるレモンは、柑橘類の中では寒さに弱い品種として知られています。栽培がうまくいけば、1本の木に200~300個もの実をつけると言われています。皮が黄色くなるオーソドックスなタイプに加えて、熟しても果皮が黄色くならず緑色のままのグリーンレモンや、果皮が濃いオレンジ色になるマイヤーレモンなどの品種があります。レモンの仲間としては、料理だけでなくジュースやカクテルにも使用されるライムが有名です。

ブンタン(文旦)類

ブンタン類はマレー半島からインドネシア付近が原産といわれており、東南アジアや日本で栽培されています。ブンタン類は、柑橘類の中で最も果実が大きくなります。特に「バンペイユ(晩白柚)」は最大で2㎏もの大きくて重い実をつけます。

ブンタン類は全般に果皮が鮮やかな黄色をしており、内側には分厚い白い綿があります。果肉は薄い黄色で、果汁が豊富なのが特徴です。酸味が少なく、爽やかな味わいが人気を集めています。

雑柑類

雑柑類とは、自然の中で交配してできた自然交雑種を指す総称です。ハッサク(八朔)やイヨカン(伊予柑)、ヒュウガナツ(日向夏)、サンポウカン(三宝柑)、カワチバンカン(河内晩柑)など、よく名前が知られている柑橘が多く含まれています。

民家の庭先に植わっている柑橘が黄色い実をたわわにつけている様子を見かけることがありますが、ナツミカン(夏みかん)の場合が多いと言われています。酸味が強いため、近年では甘みの増した「甘夏」という枝変わり品種が主流になりつつあります。雑柑類は天然に交配してできた種類のため、生命力が強く育てやすいと言われています。

キンカン属(Fortunella)

キンカン属は中国が原産で、黄色い大きさ3~5㎝ほどの実をつけます。キンカン属の中にも複数の種類があり、生でおいしく果実を食べることができるのはネイハキンカン(寧波金柑)、ナガキンカン(長金柑)、マルキンカン(丸金柑)の3品種です。ネイハキンカンがもっとも味がよく、果実も大粒です。

他に、酸味が強い大粒の実をつけるチョウジュキンカン(長寿金柑)や、果実が小さく、矮性で木が大きくならないため盆栽に適しているマメキンカン(豆金柑)などが知られています。

カラタチ属(Poncirus)

属名になっているカラタチ(枳)は、中国が原産で、非常に長く鋭いトゲを持つことから生垣に用いられてきました。カラタチの生垣は人だけでなく動物の侵入も防ぐほど効果が高かったと言われていますが、近年ではあまり見られません。

カラタチの果実は食用には適していませんが、柑橘の栽培ではカラタチの木の部分が大活躍しています。現在の柑橘類の栽培では、カラタチの根から地面に近い部分を台木として使い、その上に収穫したい種類の柑橘の枝を挿すという方法が取られています。カラタチを台木として使うことで、丈夫で病気に強い木に育てることができるのです。

柑橘の構造

様々な種類がある柑橘類ですが、基本的な果実の構造はほとんど同じです。

外側から果皮、じょうのう膜、さじょう、種子を区別することができます。果皮は、外側の色がついている部分を外果皮(フラベド)、その内側の白い綿状の部分を中果皮(アルベド)と呼びます。また、私たちが普段食べる袋状の部分はまとめて「じょうのう」と呼ばれており、じょうのうの内部の粒々は「砂じょう」です。中心は果芯です。

おわりに

柑橘類と一口に言っても、生食に適したものから加工に向いているものまで様々な種類があります。果皮の色や味も多様で、世界中で食べ物や飲み物に活用されています。

また、柑橘類の基本的な構造を押さえておくと、「柑橘トーク」が勃発しても安心してついていけるでしょう。柑橘類の様々な部位の名前についても、ぜひこの機会に覚えてみてください

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