みかんを箱買いしたり、たくさんお裾分けいただいた際、「気がついたらカビが生えていた!」なんて経験はありませんか?このとき、もったいないからと食べてしまうと、お腹を壊したり、食中毒を引き起こす恐れがあります。
そこで今回は、みかんのカビや傷みのサインについて解説します。食べても大丈夫なみかんと、食べてはいけないみかんをしっかりと見極めて、美味しく安全に楽しみましょう◎
カビに要注意!傷んだみかんを見つけたら

みかんの果実は、りんごやぶどうと比べて厚い果皮で守られているため、少しくらい傷や汚れがついていても、問題なく食べることができます。
しかし、カビや傷みかけのサインには注意が必要です。みかんに明確な消費期限はありませんが、もちろん時間が経てば腐り、食べられなくなってしまいます。特に、同じ箱で大量のみかんを保管している場合、1つにカビが生えるとあっという間に周りのみかんにも広がります。
そのため、傷んだみかんを見つけた際は、速やかに箱から取り出し、食べられそうにない場合は破棄しましょう。また、捨てるときに、腐ったみかんをそのままゴミ袋に入れてはいけません。カビは空気中を舞って他のみかんに感染する上、エチレンガスを放出して腐りを加速させてしまいます。ビニール袋などの空気を通さない袋に入れ、しっかりと口を閉じておきましょう。
まだ食べられる?傷んだみかんの見分け方
ここからは、多少傷んではいるものの食べられるみかんと、食べられないみかんの見分け方について紹介します。
食べられるみかん
まだ食べられるみかんには、以下のような特徴があります。見つけた際は、これ以上傷む前にできるだけ早く消費しましょう。
傷や汚れがついている

みかんの栽培中、枝にぶつかって傷がついたり、虫がついたりすることは少なくありません。こうした傷は治癒しますがカサブタ状の跡が収穫期まで残ってしまいます。しかし、これはあくまで果皮の外観が悪くなっているだけであり、中の果肉は問題なく食べることができます。カサブタ状の跡が原因で腐ってしまうこともありません。
時間が経って萎びている
みかんの9割は水分でできており、時間が経てば表面からどんどん水分が蒸発して萎びてしまいます。あばらが浮き出たような見た目になり、新鮮なみかんと比べるとあまり美味しそうには見えませんが、腐っていなければ食べることは可能です。
ただし、水分が減ったことで味も同時に変化していることが少なくありません。甘さが凝縮されて美味しくなる場合もありますが、食感が悪くなることもあるため、みかんの果皮が萎びてきたと思ったら絞ってジュースにするのもおすすめです。
なお、JAみっかびに限らず、長期貯蔵のみかんはあえて皮をしなびさせ、中の果肉を守ります。こうしたものは、果肉はしなびておらず美味しく食べることができます。
食べられないみかん
次に、食べられないみかんの特徴を紹介します。カビや腐敗など、食べると健康に害を及ぼす可能性もあるため、見つけた際は速やかに破棄しましょう。
カビが生えている

みかんには主に青カビが発生します。カビの種類や感染状態によって、白、緑、灰色のカビが増殖し、最終的にみかんはボロボロに腐ってしまいます。カビが生えているみかんでは、果皮が濡れていることがあります。
カビが生えていたみかんの周囲のみかんは、表面をタオルで拭き取ってみてカビが全く見えなくなるようであれば食べられます。カビが根付いているようであれば処分しましょう。
表面がブニブニになっている
カビに感染したとき、白や緑のかたまりにならず、果皮が水浸しになったかのようにブニブニと柔らかくなることがあります。大きさはカビの感染がどの程度進行しているかによって大小様々で、小さなものは見落とすことがあるため注意しましょう。
異臭がする
カビが生えていたり腐っていたりするみかんからは、特有のツンとする臭いが出ています。普段嗅いだことのない臭いがする場合は、腐ったみかんがある可能性が高いため、みかんが入っている箱や袋の中をよく調べましょう。
味に違和感がある
人間には、みかんに限らず見た目が正常でも腐っている食べ物を食べると、本能的に異常な味だと感じる感覚が備わっています。そのようなときは食べるのをやめ、適切に処分しましょう。
みかんにカビが生えるのはなぜ?
みかんは他の果物と比較しても、腐りやすいといえます。その原因として、主に以下の3つが考えられます。
水分量が多くて柔らかく、潰れやすい
みかんは水分量が多く、外皮も手で簡単に剥けるほど柔らかいという特徴があります。そのため、輸送中や保管中に皮に傷がつきやすく、これが腐敗の原因になることが多いと言われています。
特に、ダンボール箱にみかんが何層にも積み重なって入っている場合、上のみかんの重みによって下方のみかんが潰されることがあります。それによって皮に亀裂が入ったり、果実が皮からはみ出したりすることで、細菌やカビが発生しやすくなります。
エチレンガスが発生し、カビが広まりやすい
果物の中には、リンゴやバナナのように、エチレンガスと呼ばれる植物ホルモンの作用によって熟成するものがあります。みかんは、基本的にはエチレンガスとは関係なく熟していきますが、みかんが腐るときに大量のエチレンガスが発生します。そのため、みかんが入っているダンボール箱の中で1つのみかんが腐敗を始めると、そのみかんから発生したエチレンガスによって、周囲のみかんを早く腐らせてしまう可能性があります。
みかんに含まれるアミノ酸が、カビの発生を促進する
みかんに含まれるアミノ酸の一種、「プロリン」は、青カビの仲間の発芽を促し、活動を促進する働きがあることで知られています。みかんが傷付いていないときには青カビはほとんど発生しませんが、みかんの皮に傷がついたり、切れ目が入ったりすると、プロリンの働きによって青カビが発生しやすくなります。
カビの周りのみかんは食べても大丈夫?
カビが生えてしまったみかんの周りにあったみかんは、すでにカビに感染していると考えましょう。表面に付着しているカビをタオルで拭き取り、果皮に異常がなければ食べることができます。ただし、かなり腐りやすい状態であるため、できるだけ早く食べ切るようにします。
また、拭き取ってもカビが残っている場合は、内部までカビが広がっています。無理して食べるとお腹を壊す可能性があるため、処分しましょう。
みかんが腐る前に食べ切ろう!
ここからは、みかんが腐る前にできる対策やおすすめの消費方法を紹介します。
早めに食べ切る
みかんは生ものなので、ご家庭で長期保存するのには向いていません。そのため、みかんを腐らせないための最も単純な方法は、できるだけ早めに食べ切ることです。カビが発生する前に、食べ切ってしまいましょう。また、鮮度を長持ちさせるためには、保存方法にも注意する必要があります。
箱買いしたみかんの保存方法について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
みかんの保存方法は?日持ちさせて箱買いみかんを楽しもう!
寒い季節になると無性にみかんが食べたくなりませんか?箱でみかんをたくさん買っておけば、みかんを食べたい衝動に駆られた時でも、安心です。 でも、箱を開けてびっくり、カビだらけになっていた!という悲しい体験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
https://mikkabimikan.jp/blog/30
料理やお菓子作りで大量消費
みかんは少しの手間を加えることで、長く楽しむことができます。箱買いみかんがたくさん余っていて、生では食べ切れないと思ったら、ぜひ料理やお菓子作りに活用してみましょう。
冷凍みかんで楽しむ
小学校の給食でお馴染みの冷凍みかんは、ご家庭の冷凍庫でも作ることができます。冷凍みかんを作るときのポイントは、「乾燥させないこと」です。冷凍庫の中の空気は非常に乾燥しているため、注意しないとみかんがしなびてしまいます。みかんは、皮を剥いたら白い綿の部分(アルベド)をできるだけ取り除いておきます。房を分けない場合はまるごと、分ける場合は1房ごとにラップで包み、冷凍庫で保管します。ラップに包んだうえでジップロックなどに入れると、乾燥を防ぐことができます。
フレッシュジュースで栄養価もばっちり

みかんを家庭で加工する方法の中で、最も単純なものは「絞ってジュースにする」ことです。一度絞ってしまえばそのあとは皮を剥く必要もありません。冷蔵庫で保存しておけば、それほど腐敗の心配をせずにゆっくりと飲むことができます。
さらに、フレッシュジュースの場合は加熱しないため、熱で性質が変化しやすいビタミンCやタンパク質などの栄養素も、効能を変化させずに摂取することができます。焼酎やウィスキーで割ってカクテルにしたり、凍らせてシャーベットにしても楽しめます。
ジャムにして大量消費

みかんを一度にたくさん消費でき、かつ保存性も高めることができるレシピとして、みかんジャムがあります。少ない材料で簡単に作ることができる手作りジャムは、市販のジャムと比べて鮮度が高く、素材の味をより豊かに楽しむことができます。
材料
- みかん・・・使いたいだけ
- 砂糖・・・皮を剥いたみかんの重量の30〜40%
- レモン汁・・・お好みで、みかん300gにつき小さじ一杯程度
作り方
- みかんは皮を剥き、白い綿状の部分(アルベド)を剥がしておきます。温州みかんには基本的に種は入っていませんが、種がある品種を使う場合は横半分に切って種を取り出します。
- 果肉をミキサーにかけ、薄皮を取り除きます。食感に影響するため、薄皮は丁寧に取り除きましょう。
- ミキサーにかけたみかんを鍋に注ぎ、砂糖を投入します。沸騰するまで中火で煮込み、沸騰したら弱火にします。この間、焦げ付かないように耐熱性のヘラでかき混ぜ続けます。酸味が弱いみかんを使う場合は、とろみがつかない可能性があるためレモン汁を加えましょう。レモン汁には、味を引き締める効果もあります。
- アクが出てきたら細目に取り除きましょう。
- 十分にとろみがついたら火を止めて、清潔なビンに詰めます。蓋のすぐ下まで注ぎ、すぐに蓋を閉め、下向きで静置して殺菌します。
- ビンの温度が室温まで下がったら、冷蔵庫で保存しましょう。
保存料は入っていないため、できるだけ早めに食べきりましょう。パンに塗ったり、ヨーグルトに混ぜたりと、市販のジャムと同じように使えます。
果肉だけをジャムに使用する場合、残った皮はマーマレードやピールにするのがおすすめです。マーマレードの場合は薄く切って砂糖で煮詰めます。ピールの場合は、やや太めに切って同じく砂糖で煮詰めた後、天板などで乾燥させます。皮の香り高い風味と微かな苦みが大人の味を演出してくれます。
カビや腐敗に注意して旬のみかんを存分に楽しもう!
今回は、みかんのカビや腐敗の見分け方について紹介しました。みかんは水分量が多くカビが発生しやすいため、箱買いした際などは注意が必要です。ただし、皮が厚く丈夫なため、多少の傷や汚れがある程度なら問題なく食べられます。箱の中で全滅してしまうのを防ぐには、傷みかけのみかんを見つけたら速やかに取り出すこと、カビが発生している場合は周りにあるみかんの様子もチェックすることが大切です。旬のみかんを箱買いした際は、この記事で紹介したポイントをおさえて、最後まで美味しく安全に楽しんでくださいね◎
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