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【管理栄養士監修】三ヶ日町研究とは?みかんでアンチエイジング!

【管理栄養士監修】三ヶ日町研究とは?みかんでアンチエイジング!
加藤 ゆうき
監修者

加藤 ゆうき

管理栄養士

みかんでアンチエイジング!?

みかんの効能

骨を健康に保つことで、骨粗鬆症を予防する働きを持つβクリプトキサンチンや、血圧が高めの方の血圧を下げる働きのあるGABAなど、様々な栄養素を豊富に含んでいるみかん。食物繊維が豊富に含まれているため、便通が改善されたり、ビタミンCの抗酸化作用によって免疫学が高まったり、とまさに健康的な食品なのです。

中でも、生鮮食品として初めてβクリプトキサンチンとGABAという2種類の機能性表示を取得した三ヶ日みかんは、アンチエイジングにも効果があることで知られています。三ヶ日町の住民を対象とした研究によって、みかんの隠された効能が明らかになったのです。

三ヶ日町研究

三ヶ日町研究は、温州みかんに含まれる「β-クリプトキサンチン」という栄養素の効果を確かめることを目指して、引佐郡三ヶ日町(現浜松市)、農研機構・果樹研究所(当時)、浜松医科大学が共同でおこなった研究です。

三ヶ日町の住民を対象に、2003年~2013年にかけて追跡調査が実施され、β-クリプトキサンチンが骨を強くする効果があることや、生活習慣病の予防に有効であることがわかりました。

1. 三ヶ日町研究の背景

2000年当時の三ヶ日町の平均寿命を全国、静岡県、及び浜松市と比較したところ、男女ともに最長であることがわかりました。

三ヶ日町は三ヶ日みかんの産地として知られていたことから、みかんと住民の健康の間に何らかの関連があるのではないか、という声が持ち上がりました。

そこで注目されたのが、みかんに特に多く含まれているβ-クリプトキサンチンです。動物や細胞レベルにおいては、β-クリプトキサンチンが骨密度の低下や動脈硬化、糖尿病などの予防に効果がある可能性が示されていたことから、人間でも同様の効果があるのかどうかを調べることになりました。

2. 三ヶ日町研究の詳細

三ヶ日町の住民を対象に、2003年と2005年にベースライン調査がおこなわれました。この調査では、住民の血液中に含まれるβ-クリプトキサンチンの量を測定し、濃度の違いによっていくつかのグループに分類しました。

その後、10年間にわたり継続的に調査がおこなわれ、骨密度の低下度合や、糖尿病、肝機能異常、脂質異常、動脈硬化などの生活習慣病へのかかりやすさが検証されました。その結果、ベースライン調査でβ-クリプトキサンチンの血液中の濃度が高かった人は生活習慣病になりにくいことがわかりました。

三ヶ日町研究では、1日にみかんを3~4個以上食べていた人においてβ-クリプトキサンチンの効果が現れやすいことがわかりました。三ヶ日みかんには1個当たり1~2㎎のβ-クリプトキサンチンが含まれていることから、β-クリプトキサンチンを1日に約3㎎摂取すると、健康に良い効果があることがわかりました。みかんを食べて血液中のβ-クリプトキサンチン濃度を高く保つことが、生活習慣病の予防に有効である可能性が示されたのです。

3. 三ヶ日みかんと機能性表示:β-クリプトキサンチン

これらの研究成果をもとに、三ヶ日みかんは、生鮮食品の果樹としては日本で初めて、2種類の機能性表示を獲得しています。1つ目は、β-クリプトキサンチンによる骨の健康増進効果です。

三ヶ日町研究によって、1日に必要なβ-クリプトキサンチンの量は約3㎎であることがわかっています。三ヶ日みかんの早生みかんと青島みかんには、1個当たり1㎎以上のβ-クリプトキサンチンが含まれています。1日に3個以上のみかんを食べることによって、骨を健康に保ち骨粗鬆症を予防する効果が期待されます。

4. 三ヶ日みかんと機能性表示:GABA

三ヶ日みかんに認められた2つ目の機能性は、GABAによる血圧の上昇を抑える働きです。GABAには、精神を落ち着かせてリラックスさせる効果が報告されています。

1日に必要なGABAの量は30㎎と言われています。三ヶ日みかんには1個当たり12.3㎎以上のGABAが含まれていることから、1日に3個みかんを食べれば十分な量のGABAを摂取できます。三ヶ日みかんは現在、生鮮食品の果樹としては全国初のW機能性表示食品として注目を集めています。

現在、三ヶ日町では、三ヶ日町研究をさらに進めて追跡調査「三ヶ日町アクティブエイジング研究」がおこなわれています。これによって、みかんと健康寿命との関連が見出された暁には、三ヶ日みかんのさらなる機能性が示されることになるかもしれません。

JAみっかびでは、β-クリプトキサンチンとGABAの2種類の機能性表示を取得している代表品種「青島温州」を販売中です。酸味と甘みのバランスが良く、コクのある味わいが特徴です。

みかんでアンチエイジングは可能?

みかんに含まれる栄養素

上述のβクリプトキサンチンに加え、ビタミンCやクエン酸など、抗酸化作用をもつ栄養物質を多く含みます。
したがって、みかんを日常的に食べることで美肌効果によるアンチエイジングが期待できます。

また、常に外部に晒されている外皮は、外敵の侵入を防ぐための抗菌作用を持ち合わせています。したがって、皮ごと食べることによって、免疫力が高まり風邪に罹りにくくなることが期待できます。

さらに、みかんの外皮は鳥につつかれたり虫にかじられたりしても、すぐに修復されます。これは「創傷治癒作用」と呼ばれ、傷ができても迅速に治す働きがあります。人間が皮を摂取すると、肌質が改善されて肌荒れやニキビになりにくくなります。
捨ててしまいがちな外皮ですが、ジャムにしたり乾燥させてお茶にするなどして楽しめます。

また、市販されているみかんやリンゴなどの果物の表面は、ツヤツヤと輝いていることが多いですが、ほとんどの場合はワックスを使っているわけではありません。果物からは、オレイン酸やリノール酸などの天然のワックスが染み出しており、適量を摂取することで体によい効果があることが知られています。

みかんの効果を最大限発揮させるには、何個まで食べて大丈夫?

甘くて瑞々しいみかんは、1個、1個と手が伸びて、ついつい食べ過ぎてしまいがちです。βクリプトキサンチンやGABAのように、健康に良いみかんの成分の効果を最大限に引き出すには、1日に何個が適量なのでしょうか。

結論から言うと、1日に2~3個が適量と言われています。三ケ日みかんのβクリプトキサンチンとGABAの機能性について説明した通り、3個摂取すると、ちょうど一日に推奨されているβクリプトキサンチンやGABAの摂取量を満たすことができるのです。

みかんはβクリプトキサンチンやGABA以外にも様々な栄養素が豊富に含まれているほか、カロリーや糖質もそれほど高くないため、安心して食べることができます。みかんの食べ過ぎについては、次の記事でも詳しく説明していますのでご参照ください。

どんな食べ物でも食べ過ぎは禁物ですが、みかんは健康に長生きする上でも効果を発揮する優れものです。食事と組み合わせて適量を摂取することで、元気に冬を乗り切りましょう!皮ごと食べることで、より大きな効果が期待できます。

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加藤 ゆうき
監修者

加藤 ゆうき

管理栄養士

管理栄養士として保健センター、透析専門クリニックに勤務し栄養指導業務を行う。 現在はフリーランスの管理栄養士として、ケータリングサービスのメニュー開発や、Web等の記事の執筆を行う。

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